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アサヒ飲料  生産・出荷ITで効率化
 
今秋に新SCMシステム 


 アサヒ飲料は情報技術(IT)を活用した業務の効率化を加速する。今年秋に米社のソフトを使ったサプライチェーンマネジメント(SCM)システムを稼働するほか、遊休自動販売機の在庫を一元管理するシステムも導入する。飲料業界では量販店で低価格化が進むなど販売競争が激化しており、ITを軸とした業務改革を進めて競争力を高める。

 米ソフト大手のマニュジスティックス社のSCMソフト「ネットワークス」をベースにした独自システムの構築に着手した。飲料の原材料や容器の発注から、自社・委託先工場への生産指示、卸会社への出荷量を一元的に管理する。

 同時に自社製品の過去三年分の地域別販売量の推移のほか、キャンペーンの実施状況や天候の変化などのデータを入力。統計処理を経てむこう三週間の需要予測を立てる。アサヒ飲料は現在、本社のSCM部が人手作業を中心に需要予測を建てている。現状は月単位の需要予測だ

が、新システムの稼働後は週単位での予測が可能になる。

 従来より詳細な需要予測と生産・出荷の管理を組み合わせて在庫を削減。年一五%程度の流通経費削減を見込む。十月にテスト稼働を始め来春の本格稼働を目指す。投資額は約四億円。

 自動販売機の業務では、今秋に東京と大阪の二カ所に「自販機管理センター」を設置する。現在は支社ごとに手掛けている自販機の手配業務を二カ所に集約する。

 管理センターでは各支社で稼働せずに余っている計一万〜二万台の遊休自販機の数量や種類についてデータベースを構築。新しく自販機の設置が決まった場合に、いち早く自販機を手配・輸送できるようにする。全国レベルで自販機の有効活用を進める。新システムの導入費用は約二億円。

 アサヒ飲料の二〇〇一年(一〜十二月)の販売量は前年比八%減の一億四百万ケースに落ち込んだ。一連のシステム導入で削減したコストを製品開発や販売促進費に振り向け、販売数量のばん回につなげる。

  2002/06/10 日経産業新聞より
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