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お茶でアレルギー抑制
アサヒ飲料2006年商品化目指す
 
 アサヒ飲料は独立行政法人・農業技術研究機構の野菜茶業研究所などと共同で、アレルギー症状を抑える効果が期待できる茶飲料を開発する。野菜茶業研は茶葉の一品種「べにふうき」に抗アレルギー成分が含まれることを示す実証試験を進めている。アサヒ飲料は有効成分を十分に維持できる茶飲料の製法を研究し、二〇〇六年の商品化を目指す。

  野菜茶業研はアレルギー予防食の開発を目的にこれまで約四十種類の茶葉の成分を分析。その中から、「べにふうき」に含まれる渋み成分の一種「メチルカテキン」に、アレルギーの原因となるヒスタミンの体内分泌を抑制する効果があることを見つけた。

 同成分は「やぶきた」など、日本で主流の一般的な茶葉には含まれていないという。

 ベにふうきを定期的に摂取すれば、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状を抑える効果が期待できるという。野菜茶業研は今後、静岡県立大、九州大、東京大保健管理センターなどと協力し、抗アレルギー作用についての研究を続ける。

 アサヒ飲料はこのほど国内の農家にべにふうきの茶葉の生産を委託し、全量を買い取る契約を結んだ。今後、有効成分を壊さず缶やペットボトル入り飲料に仕上げる製法の開発を進める。ティーバッグの無料配布などで、消費者への認知度も高めていく。

 現在、抗アレルギー効果をうたった食品は販売されていない。アサヒ飲料は商品化の際に厚生労働省から「特定保健用食品」の認可取得を目指し、効果を前面に打ち出して販売する考えだ。

 清涼飲料市場では日本茶やミネラルウオーター、栄養成分を含む機能性飲料など、健康志向の商品に売れ筋が移っている。アレルギー症状に悩む日本人は三千万人を超えるとみられており、アサヒ飲料は新製品で市場開拓を急ぐ。

  2002/10/02 日経産業新聞より
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