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NYで緑茶ブーム?!
本物志向受け人気
伊藤園のアンテナショップ

 米国で消費される日本茶はカフェインを除いたり、レモンを加えたりしたものが多かったが、伊藤園が今春、ニューヨークにオープンさせたアンテナショップで無添加の日本茶(緑茶)を売り出したところ、本来の味、健康面での効果を評価する米国人が増えている。同ショップはニューヨークタイムズでも高い評価を受け、日本茶の対米輸出が盛り返す可能性も出そうだ。

 同社のアンテナショップは、日本茶三十種のほか中国茶、紅茶など計七十五種類を売る「ITO EN」と、日本茶や懐石料理を出すレストラン「KAI」の二店。

 「ITO EN」では、せん茶を一オンス(二十八c)三〜十.五j、抹茶を十二〜四十三.五j、はうじ茶をニ.五〜二.八jで販売。円に換算すると、せん茶で約三百九十〜千三百円だ。日本で販売しているペットボトル入り茶飲料も、英語のラベルをつけ、五百_一.五jで売る。

 日本からの冷蔵輸送などでコストがかかり割高だが、「『おくみどり』(十.五j)や本山(静岡産、四.五j)のせん茶がよく売れている」と伊藤園広報部。

 一日の来客数は現在、両店で平均百二十人以上。売り上げも一日八十万円を確保する。客の多くは米国人の富裕層やインテリ層。日本茶の健康効果に関心を持つスポーツ関係者の来店も多い。

 伊藤園がハワイ以外の米国内で本格的に茶を販売するのは、今回が初めて。同社は「モダンで洗練された日本茶のイメージを売り込みたい。価格を下げて大衆化を目指すのではなく、量より質で、本物の日本茶を広めたい」と、イメージ戦格にも重点を置く。

 日本の緑茶輸出量は一九六〇年代に四千jあったのが、ここ数年は六百〜七百d。米国への輸出量もピーク時の一割以下に落ちているが、日本茶に対する評価の高まりで、輸出の盛り返しも期待される。

(日本の緑茶輸出量の推移グラフ省略)

  2002/08/28 日本農業新聞
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