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伊藤園 創業者・本庄正則が残した「おーいお茶」で大奮闘 |
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近年飲料メーカーが梃入れするのが、無糖茶系飲料の「お茶市場」。この春ー夏商戦を見据えて、飲料メーカー各社は従来商品のリニューアルや新商品の発売に力を入れた。 お茶市場の中でも成長著しいのが緑茶系。この五年間で販売量は三倍近く増加している。緑茶市場では約三割のトップシェアを誇る伊藤園の「お〜いお茶」も、他社製品の攻勢で上期は苦戦が予想されていた。 だが、八月を終えた時点では伊藤園「お〜いお茶」の一人勝ち。年初の1−3月には一旦売り上げが落ちたものの、四月は数量ペースで対前年比三○%増の伸びをみせ、1−8月で対前年比約一五%増と好調だ。 「他社製品と飲み比べた結果、当社製品が改めて支持されたのでは」と伊藤園は自社ブランドに自信を深めている。 今年無糖茶系に参入した新商品は二十近くにのばり、お茶戦争″とまでいわれていた。しかし蓋を開けてみれば、主要四ブランドである「お〜いお茶」「生茶」(キリンビバレッジ)「烏龍茶」(サントリー)「爽健美茶」(日本コカ・コーラ)を切り崩すヒット商品は出ず、無糖茶系市場に過度の期待を寄せた各社の目論見は大きくはずれた。緑茶系二位のシェアを守った「生茶」も、1−8月で一%減と前年並維持で精一杯に終った。 飲料市場全体が低迷する中でも好調な「お〜いお茶」だが、消費者から支持される理由には「他社と異なり香料を使用しない技術が、食の安全に敏感な消費者に好評」(競合他社)ということもあるようだ。 伊藤園がお茶のトップブランドに育ったのは、創業者である故本庄正則氏の力が大きいといわれる。八月二十八日に行われた本庄氏の社葬には、東映の岡田茂相談役をはじめとして、三千人を超える財界人が足を運んだ。昨年冬はホットペットボトルを定着させた同社だが、創業者を失った今、この秋−冬に再び訪れるであろうお茶戦争″をどう戦い抜くのか、注目が集まっている。 (創業者の故・本庄正則氏 写真省略) |
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2002/09/24 財界より |
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