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キリン、営業減益幅縮小
                                   
6月中間 経費の削減が寄与 
 

 キリンビールは二十三日、二〇〇二年六月中間期の連結営業利益が前年同期比九%減の三百三十億円前後になったようだと発表した。二月時点の予想を七十億円上回った。研究開発費の計上が下期にずれ込むほか、経費の削減効果が出て、減益幅が縮小した。ただ、六月からの発泡酒値下げで採算が悪化しており、十二月期通期では利益が下振れしそうだ。

キリンビールは二十三日、二〇〇二年六月中間期の連結営業利益が前年同期比九%減の三百三十億円前後になったようだと発表した。二月時点の予想を七十億円上回った。研究開発費の計上が下期にずれ込むほか、経費の削減効果が出て、減益幅が縮小した。ただ、六月からの発泡酒値下げで採算が悪化しており、十二月期通期では利益が下振れしそうだ。

連結売上高は前年同期比三%減の七千二百八十億円。計画を百二十億円下回った。発泡酒の構成比が増えたことで平均単価が下落したうえ、缶入りチューハイ「氷結」の販売数量が計画を約二五%下回った。

ビール・発泡酒の合計販売量は九千二百万ケース(一ケースは大瓶二十本)とほぼ計画通りだったが、発泡酒の構成比が四四%と計画(三八%)を大幅に上回った。六月下旬からは発泡酒の出荷価格引き下げに伴って「ラガー」 「一番搾り」などビールの落ち込みが大きくなっている。

連結経常利益は一四%減の三百億円。単独ベースでは二二%減となったが、連結ではグループ会社の好調が下支え要因となった。三月に資本参加したフィリピンのビール会社サンミゲルなど出資先からの受取配当金が増加。豪ライオンネイサンも円の対豪ドル相場が下落し、二十億円程度の利益上乗せ要因となった。連結純利益は三〇%減の百億円。

十二月期通期の業績予想は変更していないが、発泡酒の値下げが響くため期初計画を下回る公算が大きい。発泡酒の価格下げによる営業利益の減少は通期で百八十億円程度とみられ、コスト削減では補いきれない可能性があるからだ。今通期の連結営業利益は前期比三%増の七百七十億円前後にとどまり、期初計画の八百四十億円に届かない見込み。

   2002/07/24  日本経済新聞  より
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