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“炭とは黒いものである”というのは少なくとも常識である。しかし“黒くない炭もあれば、青い炭もある”というほどに炭の種類は多く、その名称も多様である。材料によるもの、産地によるもの、製法によるもの、色によるもの、形によるもの、硬軟によるもの、縁起によるもの、用途によるもの、製造者によるもの、香味によるもの、故実によるもの等々と、炭の名称はすくなくとも稲の種類名に何倍もするほど多い。ただ江戸後期からの炭の遠距離輸送の開始と、技術の便化に従って、炭そのものが画一化されだし、その名称の多くを失うにいたった。今の堅炭ではない色の白い『白炭』もその一つである。 |
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黒炭との違い
炭には白炭(はくたん)と黒炭があります。同じ木を焼いた木炭でも、白炭と黒炭とでは特性や性質がまるで違ってきます。
外観も白炭には樹皮がなく、黒炭には炭化した樹皮がついています。また、白炭の表面は白っぽく灰がついていますが、黒炭は真っ黒です。
炭の断面を見ると、白炭は銀灰色でつやがあり、黒炭は黒色のままです。白炭には、割れ目が少ないのですが、黒炭は割れ目がたくさんあります。
叩くと白炭は硬いですから、金属のような音がしますが、黒炭は鈍い土器のような音がします。
使ってみると、白炭は火付きは悪いのですが、火持ちがよく、黒炭は火付きはよいのですが、火持ちが短い事が分かります。 |
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白炭の作り方
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原木の切出し 20〜40年の成木を伐採。ウバメガシ、樫など。
窯詰め 束にした原木を窯の奥の方から詰めていく作業。
口焚き 原木の水分を抜く作業。この段階で白い煙が出る。
焼火 点火開始
精錬 炭化後、窯口を次第にあけて空気を送り、炭材の樹皮を燃やして赤熱させる。
窯出し 少量づつ、窯口から取り出す。
消火 炭床に集め、直ちに素灰を掛ける。 |
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